塾の内側 その1

#チラシを分析する

塾選びの原則は、「外見よりも中身」が大切です。ビルの立派さや教室の内装の豪華さよりも、そこで教え
ている講師の指導力や面倒見の良さが重要です。儲け主義ではなく貢献主義で経営されている塾は、た
とえ教室が粗末であっても、優秀な講師が集まっていることが多いです。生徒の学力を向上させることに
生き甲斐を感じている、そんな熱意が煮えたぎっているような講師は、貢献主義の塾でこそ、その指導手腕
をのびのびと発揮できるものだからです。

チラシの豪華さ

チラシの豪華さは、塾の中身とは無関係です。チェーン塾の場合は、本部でまとめてチラシを印刷するの
で、豪華な割に単価が安くなり、そのため生徒数が少ない教室であっても豪華なカラーチラシを配布でき
ます(校名と地図の部分は追加印刷する)。

チラシ折込の頻度

何度も繰り返しチラシをまいているのは、たくさんチラシをまかないと生徒が集まらない塾ということです。
塾が広告宣伝費をかけすぎると、その分人件費を減らす(講師の質を落とす)か、授業料を値上げするこ
とになります。中身のいい塾は、口コミで生徒が集まってくるので、チラシの回数は少ないのが普通です。

指導方法の表現

長い間実績を積み上げてきた塾は、指導方法を確立しているものです。指導方法に自信があると、チラシに
は控えめにしか書かない傾向があります。その反対に、「○○システム」と銘打って、大々的に指導方法を
アピールしている塾は、良く読むとどの塾でもやっていることを図で示しただけ、ということが多いです。まっ
たく指導方法を書いていないチラシは、とても自信があるので書くまでもない塾か、まったく自信がないので
とても書けないか、そのどちらかです。

授業料表示の有無

授業料を表示していない塾は、表示しない理由があるもの。サービスが同程度で授業料が高い塾(要する
にコストパフォーマンスが悪い塾)は、授業料を明示すると反応が悪いので、チラシには授業料を掲載でき
ません。「電話ではなく、直接お話をしないと、授業料は教えられない」などと言われたら、キャッチセールス
もどきの塾でしょう。セールスのうまい説明員が待ちかまえていて高額のコースにしつこく勧誘されるので、
絶対に行かないこと。

授業料の比較

分当たり単価で比較します。同じような授業システムならば、だいたい同じ水準のはず。1クラスの生徒数
が多ければ多いほど、授業料は安くなります。質の高い講師を揃えている塾は人件費が高くなるので、授
業料は相場よりやや高いことが多い(それでも生徒は集まる)。その逆は真ならずで、相場より授業料が高
い塾=講師の質が高い、ではないので要注意です。反対に、同じような授業システムで相場よりも授業料
が安い塾は、人件費が低い=講師の質が高くない、ということが多いです。また、授業料は安いが、諸経費
が高い塾もあります。そのため、候補となる塾をいくつか選んだら、授業料に諸経費を合算して、1年間でい
くらになるかを比較するといいでしょう。

合格実績

合格実績は、過大評価してはいけません。大手の進学塾やチェーン塾の合格実績は、その人数の多さに驚
かされますが、生徒が多ければ合格者が多くて当たり前です。ひどい場合には、提携している他の塾と合算
して合格実績をアピールしていることもあるので要注意です。ひとつの教室あたりでどのくらい合格している
のかは、なかなか分かりません。そもそも、合格者数よりも合格率が問題なのだが、これは普通はチラシに
は書いていません。そのため、授業のレベルが合っているかどうかを知るために、通おうとしている教室から
志望校と同レベルの学校への合格者が出ているかどうかを見る程度にとどめておいた方がいいでしょう。

合格者氏名/合格体験記

合格者数だけでは信憑性がいまいちなので、合格者の氏名や合格体験記をチラシに載せている塾が多いで
す。しかし、大学合格者や高校合格者の名前や出身校がイニシャルや仮名では、まったく信用できません。
また、教室数の多い大手塾・チェーン塾などの場合は、教室によって中身が全然違うことがあるので、出身校
が書いていないとどこの教室からの合格なのか分からないので、参考になりません。

ただし小学合格者の場合は、名前や出身校がイニシャルや仮名でも仕方ありません。以前から、小学受験の
合格者の実名や出身校、写真などをチラシに掲載している塾はほとんどありませんでした。これは、犯罪者が
学校帰りの子供を待ち伏せして名前を呼んで安心させて誘拐するといった事件が起きる可能性があるためです。

中学合格者の場合も、名前や出身校や写真を公表しない塾が増えています。これは、昨今の個人プライバシー
の保護の考え方が、塾業界にも少しずつ広がってきているためです。中学生は小学生ほど誘拐はされにくいで
すが、しかし写真と名前が公表されていると、ストーカーなどに狙われる可能性がゼロではありません。また、
「その塾に小学生が通っている」ということが分かること自体、普段は夜は出歩かない小学生が1人でいる場所
を犯罪者に教えているようなものです。セキュリティに気を配っている塾では、中学部合格者の名前や出身校
や写真以前に、そもそも中学部合格者がいるかどうか、さらにはその塾に小学生が通っているかどうかも対外
秘としているくらいです。